アウト オブ ザ ブルー

マサは膝を抱えて座り直すと、両脚の間に顔をうずめた。


父が黙っているのをいいことに、感情的になっていた私の口は、この結婚を避けたい一心でいろんな屁理屈を並べ立てた。


「やっぱりマサに他人の子を育てさせるなんてできないよ…。子どもだって、大きくなってから父親に似てない自分に疑問を持つかもしれないし、もし親子で血液型が合わなかったりしたら、私、なんて説明すればいいのかわからないよ…」




自分でも理不尽なことを言っていると思ったが、とにかく結婚する気がないのを知ってもらうのに必死だった。


「最近は交際相手の子どもを虐待したり殺したりする男のニュースも聞くし、やっぱり本当の親じゃないと…」




私の話が終わらぬうちに、とうとう父が口を開いた。


「そんなの、全然問題にならんだろ?」




「え…?」




「優くんが子どもの本当の父親ではないという話だ。血のつながってない親子だって、一緒に暮らしていれば血のつながり以上の絆が持てるはずだ。違うか…?」



「それは…」
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