アウト オブ ザ ブルー
「友実…。あ、マサも…。久しぶりー」
私は久々に会う親友に作り笑いで答えた。
「どう、元気だった?」
「あ…、まあね…」
そう言って笑う私の顔を、マサがメガネ越しに凝視して言った。
「なんかミッチ、やつれてない?ほら、目の下。クマができてる」
「えっ…?」
「何かあった?」
異性に見つめられるとドキッとするものだが、マサは違う意味で私をドキリとさせた。
「別に…、何もないよ…」
「ホントに?」
「うん…」
するどいなあと思った。
マサの視線が痛かったのと、キーチとの約束の時間が近づいていたのとで、早くこの場を立ち去りたかった。
「ごめんね…、私これからちょっと用があるんだ。だからもう行くね」
「えーっ?!そんなこと言わないでさ、お昼一緒に食べようよ。ねっ?!」
友実がそう言って、マサに同意を求めた。
「そうだよ、ミッチ。…ほら、ここ座って」
マサは立ち上がり、その大きな手で私の腕をがっちりつかむと、無理やり私を自分の横に座らせた。