アウト オブ ザ ブルー

「なんで…?!ねえ、なんで勝手に婚姻届出して来たの…?!」




マサは歯ブラシを口にくわえたままこちらを向くと、驚いたような顔をした。


「なんでって…、理由はさっき言っただろ…?」




「そんなの、納得できないよ…!どうして届けを出す前に、私にひとこと言ってくれなかったの…?!」




「だってミッチ家にいなかったじゃん…。あ、もしかして、一緒に出しに行きたかった?」




マサは嬉しそうに笑った。


彼の鈍感さもすっかり元に戻っていた。


「違うよ、そうじゃなくて…!」








そう怒鳴りかけて、








…私は言葉を失った。










目が飛び出そうになった。





突然、




私の中で何かが音をたてて破裂したのだ…。
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