アウト オブ ザ ブルー

見舞いに来てくれた両親とまおちゃんは、私と一緒に泣いてくれた。



母は以前となんの変わりもない、いつものやさしい母だった。


私に同情したのか、孫の誕生を楽しみにしていたのか、彼女の悲しみようには目が当てられなかった。



友実からはお悔やみを告げるメールがきた。



卓くんは「これ食って元気出してください」と、彼が作った特製弁当を持って来てくれた。



久しぶりに会ったコージさんはまた彼らしい言葉で励ましてくれ、


「今度はこれを聴きなよ」と言って、CDラジカセとエリック・クラプトンのCDを持って来てくれた。


このCDには、クラプトンが自分より先に死んでしまった我が子を想って歌った曲が入っているという。


「詞の内容にきっと君の気持ちも救われることだろう」とコージさんは言った。








みんなの気持ちは嬉しかった。



嬉しかったけど…、






そのときの私には誰のどんな気遣いさえ心に響いてこなかった。
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