アウト オブ ザ ブルー
「それなら俺があいつを説得しとくから…」
「でも…」
「でも、なんだよ…?」
マサがたかぶっているのがわかったので、私はこれ以上何か言って、彼を怒らせたらまずいと思った。
私が無言を通すと、マサは私の手を握った。
「なあ…、俺達結婚したばかりなのに、何もすぐ別れなくたっていいだろ…?あの子のことは残念だったけど、子どもなんてまた作ればいいんだ…。これまでのことは全部忘れて、ここからふたりで人生やり直せばいいだろ…?」
彼の表情からは不安や苛立ちや焦りのようなものが読み取れた。
けれど私も自分のために頑張るしかない。
再び口を開く。
「でも私…、きっとあの子のことを忘れられないと思う…。だって私が欲しいのは、死んだあの子だったんだもん…。こんな気持ちのままじゃ、マサと新しい家族を作っていくことなんてできないよ…」
私はまた泣き出していた。