アウト オブ ザ ブルー

手摺りに両手をかけ、まだまだ重い体を持ち上げようとしたときだ…。






「ミッチ…!」






遠くからなつかしい声がした。






振り向くと、


キーチがこちらに向かって走って来る。




「キーチ…、どうして…?」




「こないだマサから電話をもらったんだ…。ミッチが子どもを亡くして今すごい不安定な状況にいるから励ましてやってくれないかって…」




彼は息を切らして私の前に立った。


「新年度が始まって、ちょうどバタバタしてたんだ。見舞いに来んのが遅くなってごめんな…」




私は首を横に振った。


「病室に行こうとしたら、お前が部屋を出るのが見えたから後をついて来たんだけど…、もしかしてミッチ…、自殺しようとか考えてたわけ…?」




今度は首を縦に振った。


「なんでだよ…」




その瞬間、キーチの両腕が伸びて、私の体を包み込んだ。
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