アウト オブ ザ ブルー
「ミッチが死んだからって、赤ん坊が生き返るわけじゃないし、その子だってこんなお母さんの姿を見たら絶対悲しむに決まってんだろ…?」
彼の鼓動がよく聞こえる場所で、
私は黙って彼の言葉を聞いていた。
「マサに全部聞いたよ…。亡くなった子どもって、ホントは俺の子だったんだって…?」
こぼれそうだった涙がついにこぼれた。
一瞬マサがまた余計なことを言ったなと思ったが、それ以上考えている余裕はなかった。
私はキーチの顔を見上げた。
「ごめんね…、赤ちゃん、せっかくキーチが分けてくれた命だったのに…」
「そんなことより、どうして妊娠したこと、ちゃんと話してくれなかったんだよ…?」
「だって…、キーチのこと、困らせたくなかったんだもん…」
私の涙が彼のシャツにこぼれると、
彼は私を更にきつく抱きしめた。