アウト オブ ザ ブルー

「ごめんな…。お前ひとりに苦しい思いをさせて…」



私が涙にむせいでいると、彼はゆっくり腕を離し、私の涙を右手の指でぬぐってくれた。


「泣くなよ…。ほら、いつも言ってるだろ…?やまない雨はない、とけない雪はない、明けない夜もないって…」




「でも…」




「大丈夫。また絶対なんとかなるから…」




「そうかな…」




「そうだって…!」






そう言うとキーチは突然、




私にくちづけをくれた。
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