アウト オブ ザ ブルー
§15 打ち明け話
「俺達、またこうして時々会ったりできないかな…?」
キーチの気持ちは嬉しかった。
できることなら私だってそうしたい。
キーチと一緒なら、地獄に落ちることだって本望だ。
けれど、今の私と彼にはそれぞれ他に帰るべき場所がある…。
キーチには、私以上に彼を必要とする家族がふたりもいるのだ。
私は彼からゆっくり離れると、本心とは違う言葉を吐いた。
「そんなの…、無理だよ。私もキーチも、もう結婚しちゃったんだよ…?そんなことしたら神様に怒られちゃう…」
再び流れ落ちそうになる涙をこらえながら、私は精一杯笑ってみた。
キーチは何か言いたそうにしていたが、結局口を開かなかったので、
私は「そろそろ面会時間も終わりだよ」と言って屋上をあとにした。
中に入ってから後ろを振り返ってみたが、
キーチはもう追いかけては来なかった。