アウト オブ ザ ブルー

誰もいない病室へ戻ると、キーチの顔やぬくもりや言葉などが思い出されて、涙が出た。



なんであんなことを言ったのだろうと後悔したくもなった。




でもキーチのためを思うと、ああ言うしかなかった。




消灯時間も近いので横になってはみたものの、なかなか寝付けそうにない。



気持ちを落ち着けようと、コージさんが持って来てくれたCDを隣の部屋に響かない程度にかけてみた。



静かに、ゆっくりと奏でられるギターの旋律が耳に心地良かった。


歌詞は簡単な英語で書かれていたので、耳をすませば容易に内容をつかむことができた。


コージさんが言うように、私の心を癒してくれる曲だった。




サビの部分の英語を自分で自分に言い聞かせながら、その晩私は目を閉じた。
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