アウト オブ ザ ブルー
「よっ、みちる。ちゃんと生きてたか?」
彼はドアを開けるなり明るい笑顔を見せたが、
深雪ちゃんに視線を移したとたん、その顔から笑顔を消した。
深雪ちゃんの方を見ると、彼女も驚いたようにコージさんを見ている。
「深雪…」
そうコージさんがつぶやいたので、「コージさん、深雪ちゃんのこと知ってるの?」と聞くと、
彼が答えるより先に、深雪ちゃんが私に問いかけた。
「先輩こそ、こーちゃんとお知り合いですか?」
深雪ちゃんがコージさんのことを『こーちゃん』なんて親しそうに言うのでびっくりした。
「ああ…、うん、コージさんとは前回入院したときに知り合ったんだけど、時々話し相手になってもらってたんだ…」
私がそんなふうに言うと、深雪ちゃんは「そうなんですか」と2回うなずいた。
「深雪ちゃんは?コージさんとどういう関係なの?」
改めてふたりのことをたずねると、彼女はふっとため息をついた。
「ミッチ先輩…、彼はキーチの弟さんなんですよ」