アウト オブ ザ ブルー
せつなかった。
私は彼にかける言葉を探した。
けれどそれはなかなか見つからなくて、結果彼の話を切り上げさせることになった。
「ごめん…、みちるがこんなふうになったのも、もとはと言えば俺のせいなんだよな…。ごめん、ホントごめん…」
コージさんは私に頭を下げると、そのまま顔を上げようとしなかった。
私は彼の心と自分の心を重ね合わせて考えてみた。
「じゃあ、ちょっと聞くけど…」
「ん…?」
彼はうなだれていた頭を少し持ち上げた。
「コージさんは、これから深雪ちゃんへの気持ちにどう対処していくつもり…?」
「深雪への気持ち…?」
「深雪ちゃんのこと、忘れられないんでしょ…?そしたら彼女のこと、やっぱり心の中でずっと想い続けていったりするわけ…?」
「…そうだな…」
コージさんは私から目そらすと、カラになったグラスを右手につかみ、静かに立ち上がって言った。
「あいつへの気持ちは…、今日を最後に心の中に封印しとくよ…」
そう言ってかすかに笑った彼は、再び中へと戻って行った。