アウト オブ ザ ブルー

お酒を飲みながらいろんなことを考えた後、再び会場に入ると、


友実がケーキの載ったお皿とフォークをかかえて一目散に走ってきた。


「ちょっと、ミッチ!あんたこんなときにどこ行ってたのよ?!」


「あ…、ごめん。お腹が痛くてちょっとトイレに行ってたんだ」


「もう、トイレなんか行ってる場合じゃないって!」




興奮した様子の友実に何がどうしたのかとたずねると、


彼女は「がっかりしないでよ」という前置きをつけて話し始めた。






寝耳に水だった…。






キーチは国交部のみんなに、


8月から日本語教師としてカナダに行くことになったと言ったそうだ。


カナダにあるうちの大学の姉妹校から連絡があって、


急に日本語教師に欠員が出たため、誰か適任者はいないかということで、キーチに声がかかったらしい。


キーチは9月から向こうの大学で授業をすることになるのだが、


いつこっちに戻って来れるかわからないので、深雪ちゃんとさっちゃんも連れて行くということだった。
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