アウト オブ ザ ブルー
§16 目論見

今度こそキーチが手の届かないところへ行ってしまう…。






私の涙腺はまたゆるみそうだった。






こんなところで泣いてはダメだとホールへ出ると、


テラスの方から聞き覚えのある男性の声がする。




ドア越しに外を覗いてみると、深雪ちゃんとコージさんがいるのが見えた。



深雪ちゃんは両手で顔を覆い、肩を震わせている。


明らかに泣いているようだった。




まずいものを見てしまったと思っていると、


むすっとした表情でドアを開けたコージさんと目が合った。


「深雪ちゃん、どうかしたの…?」




思わず口がそう言ってしまった。


けれどコージさんは私を一瞥しただけで、何も答えず会場へと戻って行く。


ドアの外では深雪ちゃんがついにしゃがみこんでしまった。



私は後輩をそのまま放っておくわけにもいかず、


泣きたいのはこっちだと思いながらもとりあえずテラスに出てみた。


「深雪ちゃん…?」




そう声をかけたが、こちらも返事がない。


「大丈夫…?」
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