アウト オブ ザ ブルー

そして、


「ホントはさっちゃんの名前は、こーちゃんの名前から一字もらってつけたんです…。こーちゃんは信じてないみたいだけど、私の中でさっちゃんは絶対こーちゃんの子だって確信してるから…」




と言ってまた涙した深雪ちゃんに、私はつい言ってしまった。


「わかった…、じゃあ私からもコージさんに話をしてみるよ。本当に深雪ちゃんとやり直せないか聞いてあげる」




ありがとうございますと頭を下げた深雪ちゃんの側で、


すぐに自分は何てアホなんだろうと思ってしまった。



ライバルだった女性の恋を手助けするなんて、普通ありえない。


深雪ちゃんがコージさんとくっついたからって、自分がキーチと一緒になれるとは限らないのに。




こんな自分にまた嫌気がさしたが、私は深雪ちゃんの気持ちがわかる分、


なんとか彼女の気持ちをコージさんに伝えたいと思っていた。



コージさんだって、今も深雪ちゃんを忘れていないのだ。


ただ意地やプライドみたいなものが彼の決心を鈍らせているに違いない。



私はコージさんの目論見も知らず、ただただそんなふうに考えていた。