アウト オブ ザ ブルー
〈ホントは、もっと早くそうするべきだったんです…。さっちゃんが生まれた今頃じゃなく、こーちゃんのことを好きだと思ったあの時点で…〉
「え…?」
〈結局、キーチにはなんとなく言い出せなくて今日まで来ちゃったんですけど、このままキーチをだまし続けていくのも悪いし、彼のためにも…〉
深雪ちゃんの話を聞きながら、私はキーチの気持ちを考えていた。
キーチは深雪ちゃんとコージさんのことを知らないはずだ。
もしここで深雪ちゃんに本当のことを言われ、別れを告げられたら、キーチの心はどうなるんだろう…。
さっちゃんを自分の子だと信じて深雪ちゃんと結婚したようなキーチだ。
絶対傷つくにきまってる。
「ねえ…、キーチのためを思うんなら、このままだまし続けてあげた方がいいんじゃない…?その方がキーチもきっと救われるよ?」