アウト オブ ザ ブルー

すると少しの間をおいて、再び彼女が言った。


〈でも先輩…、私、やっと気づいたんです…。これまで間違った道を歩いて来てしまってたことに〉




「間違った、道…?」




彼女が言おうとしていることもなんとなくわかるような気がしたが、一応確認してみた。


深雪ちゃんは軽く息を吸うと、再び笑い話でもするかのように言った。


〈はい…、私、ホントに好きな人を簡単にあきらめて、そうでもない人の後をついて来てしまってたんです…。それが間違った道であるとも知らずに…〉




深雪ちゃんらしいものの例え方だった。


〈でも私、もう間違えません…。さっちゃんと一緒にこーちゃんの心が戻って来る日を待ってみます…〉




「けど、そんなことしても、深雪ちゃんとさっちゃんが幸せになれるとは思わないけど…」


私がそう言うと、深雪ちゃんは少し強い口調で返してきた。


〈大丈夫です。私、こーちゃんに幸せになれる魔法をかけてもらってるんで…。それに先輩もご存知ですよね…?やまない雨も、とけない雪も、明けない朝もないんですよ…?〉
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