アウト オブ ザ ブルー
そうは言っても、しっかり者のマサのことだ。
ちゃんと勉強しているのだろう。
「あ…、うちの県って、採用試験もうすぐじゃない?今週…?来週…?」
するとマサはそれには答えず、逆に私にたずねてきた。
「俺のことよりミッチの方はどうなんだよ…?そろそろ気持ちは落ち着いてきた…?」
「え…?」
やはりそこをついてくるか。
「ああ…、うん…、でも完全に落ち着くまでには、もう少し時間が必要かも…」
とりあえずそう濁してみる。
「そっか…」
「ごめんね」
「あ、就職は…?今年も旅行会社とか空港関係とか受けないの…?」
「ああ…」
就職はいずれしなければと思っているが、未だに求職意欲がわいてこなかった。
あんなにあこがれていた旅行関係や空港関係の仕事にも、なぜか興味が失せていた。
自分が本当にやりたい仕事は、もっと他にあるのではないかとさえ思う。
「うん…、まだちょっと考え中」