アウト オブ ザ ブルー
§17 惜別
マサの言う良さそうな話というのは、外国人の子どもの面倒を見るというものだった。
マサの勤務先のALTの先生から出た話らしい。
このALTが礼拝に通っている教会では、神父さんが週に数回、外国人向けに日本語教室を開いているという。
子連れの受講生がレッスンを受けている間、神父さんの奥さんが別室で子ども達を預かっているのだけど、
最近子どもの数が増えてきて、奥さんだけでは対応しきれなくなっているそうだ。
「それで、奥さんと一緒に子どもを見てくれる人を探しているらしいんだけど、時間が平日の昼間だし、英語ができないとちょっと大変らしくて…。けど、ミッチならこの条件をクリアしてるし、日本語教室自体、教会がボランティアでやってるようなもんだから、給料がそんなに出ない分、ミッチも気軽に社会に出れていいんじゃないかと思ったんだけど…」
マサは言った。