アウト オブ ザ ブルー
「せっかくだから、ちょっと話さないか…?車で送ってくから」
「え…、でもキーチ、お酒飲んでるんじゃないの?」
「いや、今日はミッチとまともに話がしたいと思って、ウーロン茶しか飲まなかったんだ」
「うそ…」
ちょっとだけ舞い上がりそうになった。
でも、彼に寄りかかるわけにはいかない。
「送ってもらうって言っても、私の実家、ここから車で3時間くらいかかるんだよ…?今から行っても夜中近くになっちゃうし…、それからキーチがこっちに戻って来るのも大変だからいいよ」
「大丈夫。高速使えば時間は半分で済むし」
キーチは承諾を求めるかのように、更に私を見つめてくる。
私はこの申し出を断ると後で後悔するような気がして、つい「わかった」と言ってしまった。
ドキドキしながら助手席に乗り込むと、キーチの車は最寄のインター・チェンジへ向かった。
高速道路は意外とすいていた。
私達はオレンジ色の灯りに照らされながら、暗闇の中を前へ前へと進んで行った。