アウト オブ ザ ブルー
返事ができなかった。
代わりに私はため息をついた。
「ねえ…、どうしてみんな、結婚なんてするのかな…?」
「…何、いきなり…?」
「だって、今の世の中、結婚しても別れる夫婦はいっぱいいるんだよ…?別れるために一緒になるなんて、なんかおかしくない…?」
「別れるために一緒になる、か…」
キーチは私の言葉を復唱すると、低い声を一段と低くして言った。
「俺…、深雪に別れようって言われたんだ…」
私ははっとして彼の方へ体を傾けた。
キーチは、両手を目の上で重ねていた。
「幸は、ホントは幸二の子かもしれないんだってさ…。あいつ、俺に黙って幸二としょっちゅう会ってたらしい」
私は何も言えなくて、黙って横から彼を見ていた。
「ホントのとこはDNA鑑定でもしなきゃわからないんだろうけど…、やっぱショックだよなあ…。我が子だって信じてた子が、いきなり他人の子でしたなんて聞かされてみろよ…。頭もおかしくなるわな…」