アウト オブ ザ ブルー
「うん…、知ってるけど…」
〈やっぱり…〉
受話器の向こうで卓くんがため息をつくのがわかった。
「三宅さんが、どうかしたの…?」
〈みちるさん、彼の借金の連帯保証人になっていましたよね…?〉
「えっ…」
そういわれてみると、彼が店を開くときにそういう書類にサインをさせられた覚えがある。
私はまだ学生だったのでそういう責任は負えないはずなのに、
天涯孤独で友人もそういないという彼は、私の身分をごまかして嘘の書類を作ったのだった。
私は彼が好きだったし、いずれは一緒になりたいと考えていたので、仕方ないとは思っていたのだけど…。