アウト オブ ザ ブルー

9月初旬。


深井家に戻ると、義母は子どもを亡くした私に少しやさしくしてくれたが、忍ちゃんの方は相変わらずだった。


けれど彼女は在宅中ほぼ自室で勉強するようになっていたので、以前ほど顔を合わせることもなくなっていた。



マサは教員採用試験で2次試験まで進んでいて、あとは結果を待つだけと仕事に精を出していた。


試験は手ごたえがあったらしく、マサはかなり上機嫌だった。


「ここに帰って来たってことは、ミッチもやっと働く気になったんだ?」


そう言うマサに負い目のある私は、自分の意思とは反対に首を縦に振るしかなかった。



結局そういう運びで、私は週に4回毎日1時間半ずつ、彼が言っていた教会に働きに行くことになった。
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