アウト オブ ザ ブルー

その後もいろんな子に無理やり話しかけてみたが、こっちの意欲が伝わればなんとかなるものだった。



中には英語が通じない子もいたが、身振り手振りでこちらの気持ちを伝えることはできた。


一緒に遊ぶだけなら言葉なんてなくてもよかった。


子ども達を見ているのはほんの90分のことだったが、私にはこの時間がすごく短く感じられた。






次の日。


私はまだ生後5ヶ月という女の子に会った。


寝返りをうち始めたばかりという彼女は東南アジアの出で、栗色のふわふわした髪とくりくりした目が愛らしかった。


腕や頬がぽちゃぽちゃしていて、指でつつくとお餅のように柔らかい。


私はこの子が気になって、しばらくパズルマットの上で腹這いになっている彼女の横に座っていた。


彼女はまだ言葉がしゃべれなかったが、アーアーとかウーウーとかいう声を出していた。






そして、


私はこの子見ているうちに、ふと亡くなった娘のことを思い出していた。



うちの子も生きていたら、今頃はこのくらいになっていたはずだ…。
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