アウト オブ ザ ブルー

そのうち、私は娘やキーチのことを考えてくよくよすることがなくなっていた。



夢中になれるものがあるだけで人生こんなに違うのかと思えるほど、私の心は毎日弾んでいた。




昔は恋愛が全てのように思えた時期もあったが、今はもっと別なところで自分を支えてくれるものがある。


ただそれだけのことなのに、それだけでもうなんでもできるような気がしていた。






やがて私はマサに代わり、家事の一切を引き受けることにした。


マサは今年も教員採用試験に合格することができ、ますます仕事に励んでいた。



教会に行かないときは、久々に義母の店を手伝わせてもらったりもした。


忍ちゃんに嫌味を言われても、笑って聞き流せるようになっていた。




あんなに泣き暮らし何もしていなかった日々が、今となっては嘘のようだ。



やっぱりキーチの言った通り、人生なんとかなるもんだね。




ホントにやまない雨はないんだ…。






一度は嵐が吹き荒れた私の心も穏やかさを取り戻したように見えた




ちょうどそのときだった…。
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