アウト オブ ザ ブルー

処置室に通され、久々に内診台に上がるよう指示される。



下着を脱ぐと出血があった。



確か前にもこういうことがあったなと思いながら、椅子に座って股を開く。



不意に担当だった医師の顔が浮かんで、一瞬嫌気がさした。




またあの先生だったらどうしようと思ったが、


カーテンを開け「深井みちるさんですね」と顔を見せてくれたのは、あの担当医ではなかった。



まだ若い、医者になりたてというかんじの女の先生で、それは私を少しほっとさせた。




内診を受けると、妊娠3ヶ月であることが判明した。


予定日は来年4月の終わり頃だという。


予想していたことではあるが、やっぱり心に靄がかかった。




そして私はまたしても予想外の診断を受けることになった。


「切迫流産のようなので、しばらく入院してもらいますね」




「えっ…?」






困る…。




それは絶対に困ると思った。


マサに知られたら、妊娠していることがばれてしまう。




けれど私の入院話はすぐに神父夫妻に伝わり、彼らからマサに連絡が行き、マサから私の両親にまで伝わることになるのだった。
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