アウト オブ ザ ブルー
私がしたかったのは、こんな話じゃない…。
でも、これ以上はもう何も言えない、何も聞けないと思った。
キーチの子を妊娠したのは私も同じだ。
子どもには両親そろってる方がいいと思うし、キーチと一緒に子どもを育てられたらいいなとも思う。
けれど、
それを言えば彼を余計悩ませることになるだろう…。
キーチに対して不信感や嫌悪感を覚えたのは確かだが、やはり自分にとって特別だった人だ。
急に嫌いになることなんてできない…。
そう思うと、これ以上彼を苦しませたくなかった。
自分が身を引けばすむ話だと思った。
私は両手で涙をぬぐい、その手をお腹にやった。
そしてそこにいる我が子にむかって、心の中で何度も何度も「ごめんね」とつぶやいた。