アウト オブ ザ ブルー
目の前に連れて来られたのは、38週間私が大事に育んできた、愛しい愛しい命だった。
それは赤くてしわくちゃで、目も開いてない状態でおぎゃあおぎゃあと力いっぱい叫んでいる。
すぐさま頭に『みーくん』という愛称が浮かび、彼の顔と一致した。
私は泣いている我が子に向かって、「みーくん」と呼びかけてみた。
「赤ちゃん、みーくんっていうの?」
助産師が私にたずねた。
「あ、はい、『ミツキ』って名前にしようと思ってるんですけど、男の子だから『みーくん』かなあって…」
「そうなんだ」
助産師は子どもを包んでいたものを半分剥がすと、裸体が触れるようにして、みーくんを私の胸にうつぶせに置いてくれた。
「ほらみーくん、お母さんですよ」