アウト オブ ザ ブルー
§23 神様の意地悪
どうして神様は、こういつも私達に意地悪をするんだろう…。
深雪ちゃんは、若くしてがんを患っていた。
「しばらく不正出血が続いていたので、1ヶ月くらい前に産婦人科を受診したんですよ…。そしたらいろんな検査を受けることになって、結果、子宮体がんって診断されたんです…」
「…が、ん」
その言葉は、私の心に突き刺さるように響いた。
「はい…。それも、もう中期にさしかかるとこみたいで、抗がん剤じゃ効かないだろうから、子宮と卵巣を摘出しますってお医者さんが…」
深雪ちゃんは側にあったティッシュボックスからティッシュ1枚引き出すと、それを目頭にあてた。
「先輩…、子宮と卵巣を取るってことは、もう妊娠も出産もできなくなるってことなんですよ…。せっかく女として生まれて来たのに、これほどみじめなことってないですよね…」