アウト オブ ザ ブルー
彼女の気持ちはよくわかった。
自分だって同じ立場だったら、絶対にやりきれないと思う。
私は黙ってうなずいた。
「さっちゃんに弟か妹を作ってあげたかったんですけど、もうその夢も叶わないんだって思ったら、私もうどうしていいかわからなくて…」
深雪ちゃんは更にティッシュを引き抜き、それで鼻を覆った。
私は彼女の横へ移動し、その背中をさすってやった。
「このこと、キーチやコージさんは知ってるの…?」
深雪ちゃんは首を横に振った。
「キーチへは、うちの親から連絡がいってるかもしれませんが…」
「そっか…」
こんなとき、深雪ちゃんが側にいてほしいのは戸籍上の夫ではなく、コージさんなんじゃないかなと思った。
心細いときに好きな人がいてくれたら、どんなに心強いことだろう。
部屋に戻った私はみーくんがよく眠っているのを確認すると、すぐさま携帯電話を手に取り、コージさんに電話をかけていた。