アウト オブ ザ ブルー
――――――…
通話ボタンを押してから、そういえばあっちは今何時頃なんだろうと時差の心配をしたが、
長い呼び出し音の後で、コージさんはなぜか電話に出てくれた。
〈…もしもし?〉
「あ…、コージさん?みちるです…」
〈おー、みちるか。元気?〉
「あ…、はい、まあ…」
深雪ちゃんの話をどう切り出そうか迷った。
「ごめんなさい、あの…、こっちは今、夜の10時に近いんだけど、そっちは今何時頃なの…?」
〈こっち?…ああ、ニュージーランドは日本より3時間進んでるんだ。だからもうすぐ夜中の1時だけど…〉
「えっ?…ごめんなさい、そんな遅くに」
〈別に起きてたからいいんだけど…。そうだ、子どもは無事生まれた?〉
「あ…、うん、おかげさまで…」
〈そっか、よかったな。…男?女?〉
「あ…、男の子だった」
〈へー。名前は?…『ジョー』?『ケント』?『リアム』?〉
「あ…、『ミツキ』っていうんだけど…」
〈へー、ミッキーかあ。なんかディズニーみたいだな〉