アウト オブ ザ ブルー
私の話が話なので、私達は教育学部の学生のために用意されているピアノ練習室の一室を借り、そこで話をすることにした。
この空間は防音が施されているので、他人に聞かれたくない話をするにはもってこいの場所なのだ。
私は絨毯の上で、今まで誰にも言ったことがなかったキーチとのあれこれを包み隠さず親友達に話した。
ふたりは途中何度も「えーっ」とか「マジで?」とか「ありえないんだけど」などという奇声を上げていた。
話が全部終わると、私は彼らにこれからどうしたらいいかとたずねた。
友実はこう言った。
「そりゃ、赤ちゃんは産んであげなきゃかわいそうだよ。だって、子どもに罪はないわけでしょ?せっかく授かった命だもん、キーチと結婚できないとしても、私だったらひとりで産んで、ひとりで育てるな。深雪ちゃんのこともあるけどさ、キーチにちゃんと話して、ミッチの子も認知してもらうべきだよ」