アウト オブ ザ ブルー
私が急に走ったのでびっくりしたのか、私のお腹とキーチの背中に挟まれたみーくんが突然堰を切ったように泣き出した。
その泣き声は激しくて、まるで父親の心を代弁しているようにも思えた。
「子ども、産んだんだ…?」
やっと振り向いたキーチの口から出てきたのは、そんな言葉だった。
「ああ…、うん…」
私はキーチから手を離すと、その手でみーくんを抱き寄せ、彼をよしよしとあやしながら答えた。
「そっか…」
私は何も返せず、ただ泣きじゃくるみーくんをなだめていた。
みーくんはひとりで育てるつもりでいたので、今更「この子はあなたの子よ」などと言うことはできなかった。