アウト オブ ザ ブルー
私達は互いに無言を通していたが、ようやくみーくんが泣きやむと、キーチは「マサによろしくな」とぼそっと言った。
そして再び背を向け廊下を曲がると、すぐに姿を消してしまった。
キーチは、みーくんをマサの子だと思ったのだろう。
彼は私とマサが別れたことさえ知らないはずだ。
私は、真実を告げることも、彼を追いかけることもできなくて、ただその場に立ち尽くすしかなかった。
静かな廊下には、機嫌を直したみーくんがあーあー言う声と、窓ガラスを叩く雨の音とが響いていた。