アウト オブ ザ ブルー
友実が私の腕を軽くたたき他のテーブルへと移動した後、私は急いでホテルを出た。
外へ出ればまだそのへんにキーチの後姿を見つけられるような気がしたからだ。
ホテルの前から繁華街へと続く道を走る。
引き出物袋が腕にずっしり重かった。
ピンヒールじゃ走りづらくて、何度も転びそうになった。
だんだん息が上がっていくのがわかった。
けれど私はとにかく走って、彼を探さなければと思っていた。
今彼をつかまえなければ、今度こそ本当に離れ離れになってしまう気がした。
…が、
どこをどんなに駆けずり回っても、
私が再びあの笑顔を見つけることはできなかった。
…心はもう破壊寸前だった。