アウト オブ ザ ブルー

寮に帰って両親からみーくんを引き取った後、私は初めて彼の前で泣いた。


泣かずにはいられなかった。




みーくんは私の異変に気づくと、心配そうに私に寄り添ってくれた。



私は彼を抱きしめながら、今日キーチと交わした会話や、彼の笑顔を思い起こしていた。


今となっては全てが夢のように思えてならない。






こんなふうに別れてしまうのなら、もっと話をしたかった。




あの手を握ってみたかった。




そして、


「みーくんはあなたの子よ」と告白して、


「一緒になりたい」と正直に言えばよかった。








でも、もう遅い…。




遅いんだ…。








久々に『後の祭り』ということわざが私の胸をつついた。
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