アウト オブ ザ ブルー
「なんだよ…、友実は俺がミッチの気持ちを考えてないって言うのかよ?」
「別にそうは言ってないでしょ…?何、ムキになってんの…?やっぱ今日のマサ、ちょっとおかしいよ」
「どうせ友実みたいなお嬢さんには、俺の気持ちなんてわかんねーだろうよ…」
確かに、いつも冷静なマサにしては、めずらしく気が高まっているなと感じた。
私は自分のことでふたりに言い争ってほしくなかったので、この話をいったん閉じなければと思った。
「ごめんね、ふたりとも…。私、また少し考えてみるよ…」
私がそう言うと、マサは無言で部屋を出て行った。
「ミッチ、あいつの言ったことなんて気にしなくていいからね」
友実がそう言って慰めてくれたけれど、
マサの助言は私の心にまとわりついて離れなかった。