アウト オブ ザ ブルー
彼の意図がよくわからなかった。
「…そりゃ、子どもの顔がキーチに似てれば、時々思い出したりすることもあるかもしれないよ…。けどさ、キーチとはもう終わったんだし…」
そんな私の言葉を吹き消すかのように、電話の向こうでマサが言った。
〈ごめん…、俺、そういうの耐えられないんだ…。キーチのことは早く忘れてほしい…〉
私が…キーチを…忘れる…?
私はマサの自己中心的な発言にカチンときてしまった。
「ねぇ…、なんでマサ、急にそんなこと言うの?…いくら友達だからって、そんなこと言われたくないんだけど…」
するとマサは驚愕の言葉を吐いた。
〈ごめん…。でも俺、ミッチのことが好きなんだ…。それでミッチには俺以外の男のこととか考えてほしくなくて…〉
それは、友達だと思っていたマサの、突然の告白だった。