アウト オブ ザ ブルー
「それよりさ、早く何か頼もうよ。みちるちゃんも、もうハタチ過ぎたわけだから、お酒とかいけるんでしょ?何飲む?」
メニューを覗き込んだまおちゃんにそう聞かれ、喉まで「じゃあビールを…」という言葉が出かかったが、
すぐに妊娠していたことを思い出し、「じゃあ烏龍茶を…」と言った。
「何、遠慮してんの?今日は私がおごるから、好きなの何でも頼んでよ」
そう言ってメニューを渡してくれたまおちゃんに、私は嘘をつけないと思い、お酒が飲めない理由を正直に告げることにした。
「まおちゃん…」
「ん?」
「私…、妊娠してるんだ…。それでお酒が飲めないの…。まだ親にも言ってないから、内緒にしててほしいんだけど…」
まおちゃんは目を丸くし、私のお腹のあたりをしばらく見ていた。
「うそー、おめでとう…!なんだ、そういうことなら早く言ってよ…。そしたらこんなタバコ臭い店じゃなくて、もっと別なとこにしたのに…。ごめんね…」
「ううん…」