アウト オブ ザ ブルー

「ホントごめんね…。せっかく授かった命だし…、大事にしてあげてね」


そう言って頭を下げたまおちゃんは、続いて非常に答えづらい質問をしてきた。


「それで、いつ結婚するの…?相手はどんな人…?」




またしても言葉に詰まってしまったが、やはりまおちゃんには嘘をつきたくなかった。


「あのね…、私、ちょっと事情があってその人と結婚できないの…。それで、子どもも産んで育てたい気はあるんだけど、まだどうしようか迷ってるんだ…」




私がそう話すとまおちゃんはまた絶句していたが、


少しすると「そう…」とだけ言って再びメニューを覗き込んだ。



多分まおちゃんなりに気を遣ってくれたのだろう。








その後私達は炭火の上のお肉をつつきながら、昔話に花を咲かせた。


昔の話ばかりしたのは、おそらく互いに惨めな近況をこれ以上報告したくなかったからかもしれない。


まおちゃんは私に「赤ちゃんの分までいっぱい食べなよ」と言ってくれたけれど、私の箸はあまり進まなかった。
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