アウト オブ ザ ブルー
「まおちゃん、ねえ、起きてよお…!」
「何…、もう帰んの…?」
まおちゃんは寝ぼけているようだった。
「出血しちゃったんだけど、お腹も痛いし、どうしたらいい…?!」
するとまおちゃんは目を覚ましたように、瞳を大きく見開いた。
「大変…!早く医者に行った方がいいよ…!」
まおちゃんは店の人にタクシーを呼んでもらったり、私が行った産婦人科に電話をかけてくれたりした。
車が来ると、私達はすぐ病院へ向かった。
後部座席でまおちゃんが私の手を握って、「大丈夫だよ」と言い続けてくれた。
それでも私はこのまま子どもが流れてしまうのではないかという不安でいっぱいで、気が気でなかった。
そして子どもの身を案じる頭の中に、
急に高校時代に保健体育の授業で見た、堕胎手術のビデオ映像が思い浮かんだ。