アウト オブ ザ ブルー
内診が終わると、私は医師から別室に呼ばれた。
「福永さん…、結局、赤ちゃんはどうされることにしました?あれから何の音沙汰もなかったので、どうされたかなと思っていたのですが…、ご家族やお相手の方とはよくお話しされましたか…?」
私は出産したい気持ちがあるにもかかわらず、なかなか腹を決められなかった自分を反省した。
「あの…、やっぱり、産みたいです…」
すると、医師は急に真剣なまなざしを見せて言った。
「そうですか…。それなら言わせていただきますが、今、お母さんの体はかなり不安定な状態にあります」
「え…?」
「それで赤ちゃんのためにもしばらく安静にしていただくことが必要です…。とりあえず今日はこちらに入院していただいて、明日からまた自宅で安静にしていただくという方向でお願いしたいのですが…」
予想外の話だった。