アウト オブ ザ ブルー
そのとき。
「みっちゃん…!」
「みちる…!」
私の名前を呼びながら勢いよくドアを開けた男女がもう一組いた。
起き上がってみると、
それは私の両親だった。
急いで来たのか、かなり息を切らしている。
雨にもあたったらしく、白髪混じりの頭と皺っぽくなった顔を軽く濡らし、上着に小さな水玉模様を作っていた。
ふたりはマサがいるのに気づくと、彼に会釈しながら部屋へ入って来た。
「どうしたの?こんな朝早くから…。仕事は?」
「昨夜遅く真緒美ちゃんから電話もらってね、お母さん達心配して飛んできたのよ。仕事は今日休むことにしたから、みっちゃんと一日一緒にいてあげられるわ」
母が上着を脱ぎながら答えた。
私の実家はここから車で3時間くらいかかるところにある。
高速道路を使ったか、相当早い時間に家を出てきたのだろうと思った。