アウト オブ ザ ブルー

父が椅子から立ち上がると、


親子の無様なやり取りを見かねたのか、突然マサが口を挟んできた。


「失礼ですがお父さん…、とりあえずは黙ってみちるさんの話を聞いてやってもらえませんか…?お父さんに一方的に問いただされても、みちるさん、何も言えないと思うんですが…」




父はマサを一瞥すると、


「悪いが他人は少し黙っててくれ。これは私達親子の問題なんだ」


そう言って携帯していた小さな灰皿に吸殻を投げ入れた。




マサはまだ何か言いたそうだったが、父が再びわめき出したので、それ以上発言することができなかった。
< 75 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop