アウト オブ ザ ブルー
その後マサは帰宅し、私も安静を保つよう念を押されながら退院した。
父の車でアパートに帰ると、母が昼食を作ってくれたので、久々に家族で食卓を囲んだ。
今朝の怒りはどこへいったのか、父はなぜかご機嫌で、昼間からお酒まで飲んでいた。
夕方。
ふたりが帰っていくと、私は急いでマサに電話をした。
今日助けてもらったお礼を言いたかったのと、
何よりマサがついてくれた嘘の真相を確かめておかなければと考えたからだ。
携帯電話からマサの番号を発信すると、すぐに彼の声が聞こえてきた。
〈もしもし、ミッチ?〉
「あ、マサ…?今日はどうもありがとう。マサのおかげで私、お父さんに殴られずにすんだよ。ホント助かった」
〈それはどういたしまして。お父さん達、もう帰ったの?〉
「うん…、それでね…」
私は唾を飲んで切り出した。