アウト オブ ザ ブルー

マサが婿養子になるかならないかの話は先送りのまま、


私達は一応彼が社会人になる4月に籍を入れることに決めた。




そして私はこの11月から、マサの家で彼の家族と同居を始めることになった。


私がまだまだ安静を必要とするため、マサが「アパートでひとりでいるより、誰か側にいた方が安心だろう」と言って、


彼の家族と住むよう勧めてくれたのだった。



ちょうどつわりがひどく、体を動かすのがしんどかったのもあって、


私は生活費を入れさせてもらうことを条件に、マサの好意に甘えさせてもらうことにした。








月初めの土曜日。


アパートを引き払い、必要最小限の荷物だけ持って彼の家に転がり込むと、マサは「事実婚の始まりだな」と言って笑っていた。




しかし…




私の同居は彼の家族に歓迎されたわけではなかった。
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