アウト オブ ザ ブルー
ストーブをつけた後、ここぞとばかりに部屋の隅にあるラジカセの前に行き、
棚からキーチが好んでよくかけていたホール・アンド・オーツのCDを1枚取り出し、ランダムに再生してみた。
久々に聴く彼らの歌声に、なつかしさが込み上げてくる。
流れてくる英語に耳を傾けながら、
私はミーティングのときによくキーチが腰掛けていた窓際の椅子に座ってみた。
温かいペットボトルを両手で握り、窓越しに空から落ちてくる雪を見ていると、
キーチと交わしたいくつもの会話が思い出された。
このまま卒業して彼に会う機会もなくなるのかと思うと、
なんだかせつなかった。