始まりの予感


授業の合間の休み時間。


「エイジ、今日の放課後空いてる?」


「無理ー」


「最近いつもそればっか!」


いつもの光景にクラスの皆も驚かなくなった。


どぎつい香水の匂いを振りまき、エイジに向かって上目遣いをして見せるその子。


ロングの茶髪を綺麗に巻いて、メイクもかなり派手。

身長が高くて顔も小さく、モデル並みのスタイルをしているエイジの幼なじみのマリアちゃん。


1つ下の後輩。


「シオリ先輩、エイジがマリアと遊んでくれないって!ひどくないですか?」


私にまで上目遣いをして来るマリアちゃんは、策士というかなんというか。


どぎつい匂いはともかく、甘えられたらついつい構ってあげたくなっちゃう私。


「ひどいねー。こんな可愛い子がお願いしてるんだから、遊んであげたら?」


休み時間の度にやって来るマリアちゃん。


明るく無邪気に話しかけて来るので、すぐに仲良くなった。

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