始まりの予感
確かにエイジには無謀なところもあるし、私に対してひどい仕打ちをする事もある。
それでもやっぱり友達には変わりないし、探せばいいところも見つかるはず。
「あいつ、水無月先生と仲良さそうにいつもじゃれあってるし……そのくせ、佐竹さんにまであんな事して……許せないよね」
「いやぁ、エイジのじゃれあうレベルなんて本当に幼稚だよ?あ、ほらエイジって一年の時の担任が水無月先生だったじゃん?そんな深い意味はないと思うな」
なーんてエイジの肩を持つ私。
でもそれは友達だから庇ってるとかじゃなくて、本当の事を言っているまで。
「エイジは水無月先生に興味なんてないと思うな」
顔の筋肉がヒクヒク引きつる。
きっと有明君にもバレているだろうけど、そこに触れては来なかった。
ふうっと大きなため息を吐き出した後、有明君はなぜか嬉しそうに口元を緩めた。
「ありがとう、優しいね佐竹さんは」
いやいやいやいや。
そんな事はない。
だって、本当の事だからね?
だってだって、水無月先生って男じゃん!!