始まりの予感


頭に浮かんで来るのはさっきの弱々しいエイジの姿と、私を抱きしめるエイジの腕の温もり。



いつもの冗談だって笑い飛ばす事が出来たらいいのに、それが出来ない。



本当なのか嘘なのか。



冗談であって欲しいのが私の願いだけど、とてもじゃないけどそんな風には見えなかった。



ってことは、エイジは私の事が好きって事?



いや、ないない。

それはない。

じゃあ、あの弱々しいエイジは一体なんだったの?



そんな疑問ばかりが浮かんでは消える。



考えたってわかるわけないのに。



閉じ込められた事やラブレターが偽物(疑惑)だった事よりも、今はエイジの本音が気になって仕方ない。



あー、もう!



なんでエイジの事でこんなにも悩まなきゃなんないのよ。


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